賃貸物件の退去処理

故人が賃貸物件に住んでいて一人暮らしだった場合、賃貸契約を解約して退去処理を行います。必要に応じて修繕費やハウスクリーニング代を支払いましょう。契約時に支払った敷金が戻ってきたとしても、相続税に含まれるので注意が必要です。

届出・手続きのポイント

期限や行う時期 落ち着いたらすみやかに
手続きする場所 特になし
準備するもの 特になし

退去処理の主な内容

故人の住まいが賃貸物件であった場合、ご遺族が引き続き住まないということであれば解約し、退去処理を行います。退去処理の主な内容は次の通りです。

  • 大家や管理会社への連絡と解約手続き
  • 電気やガス、水道などの停止手続き
  • 遺品整理(残された家財道具など)
  • 未払い家賃の支払い
  • 敷金の精算

まずは、故人が住んでいた賃貸物件を管理している大家や管理会社に連絡して、故人が死亡した旨を伝えましょう。

契約が終了する日が決まったら、解約のために必要な手続きを進めます。退去日までに電気やガス、水道などの停止手続きを済ませておきましょう。

(参考)電気の名義変更・解約
(参考)ガスの名義変更・解約
(参考)水道の名義変更・使用中止

契約終了時にはすべての家財道具一式を運び出さなくてはいけないため、すみやかに遺品整理を済ませる必要があります。

ただし相続放棄を検討している場合、遺品を処分すると、原則として相続放棄が認められません。相続放棄を行う予定があるなら、専門家に相談するほうが安心です。

(参考)遺品整理

退去時に費用が発生することも

退去に際しては、費用が発生することがあります。主なものを見てみましょう。

1. 滞納していた家賃

相続人は基本的に、故人が遺したプラスの財産だけではなく、マイナスの財産も丸ごと引き継ぐことになります。そのため故人が家賃を滞納していた場合は、相続人に支払い義務が生じます。

滞納していた家賃がある場合は、退去にあたって未払い分を精算しなくてはなりません。ただし、後ほど説明する敷金と相殺できる場合もあります。ただし敷金の中からまかなえない場合は、しかるべき金額を大家もしくは管理会社に支払いましょう。

2. 修繕費などの原状回復費用

賃貸物件の契約を終了する場合は、いわゆる「原状回復」が基本です。「原状」とは、「始めの状態」「元のまま」という意味。そのため、故人が暮らしたことで物件に傷や汚れが生じた場合は、原状回復のための費用を支払って元通りにする必要があります。

主な原状回復費用の項目として挙げられるのは、次の通りです。

  • 修繕費
  • ハウスクリーニング代
  • クロス張り替え
  • 畳張替え
  • ふすま張り替え  など

もし原状回復費用が必要ということであれば、大家や管理会社からご遺族に対して、金額や支払方法などに関する説明があります。

原状回復費用も未払い家賃と同じく、相続人に支払い義務があります。未払い家賃と同じく敷金と相殺できない場合は、あらかじめ確認して、必要な金額を支払いましょう。

敷金は相続財産に含まれる!

賃貸物件の契約をする際には、いわゆる敷金を支払っています。敷金の金額は地域や物件によっても異なりますが、首都圏であれば「家賃の2か月分」が一般的な相場です。

敷金は、いわば「保証金」の性格を持つお金です。何らかの理由で家賃を払うことができなくなった場合は、敷金の中から補てんします。また、通常は原状回復費用にも充てられます。

敷金からこれらの費用を差し引いても残金がある場合は、契約者の手元に戻ります。故人が死亡後であれば、敷金の残金をご遺族が受け取ることになります。

ただし、仮に原状回復費用を差し引いた金額の敷金が戻ってきたとしても、本来は契約していた故人が受け取るべきものです。相続財産として扱われますので、相続税の申告の際に忘れず含めるようにしましょう。

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