遺言書が複数見つかった場合は?

遺品整理をしていたところ、遺言書が何枚も見つかってしまいました。さらに中を見てみないことには、どういった内容なのかもわかりません。果たしてどのように取り扱えばよいのでしょう?
こういったトラブル、決して少なくはありません。封をされた遺言書が何枚も見つかった場合であっても、まずは家庭裁判所の検認手続の申し立てを忘れてはいけません(詳細は「この遺言書は有効?無効?」)。

遺言書は後に書かれたものが有効

検認もすませ、これといった作成上の不備がなかった場合(タイプライターが使われていないなど)は、後に書かれた遺言書が優先されることになります。さらに細かくいえば、先に書かれた遺言書の内容が、後に書かれた遺言書の内容と矛盾をしていた場合、後に書かれた遺言書が優先される、ということです。なお、前に書かれた遺言書について、後に書かれた遺言書と比べたところ、特に矛盾がない内容については、前に書かれた遺言書がそのまま有効となります。

  • 矛盾がある場合 前に書かれた遺言書<後に書かれた遺言書
  • 矛盾がない場合 前に書かれた遺言書≧後に書かれた遺言書

自筆証書遺言と公正証書遺言の優劣はない

出てきた遺言書の一方が自筆証書遺言で、もう一方が公正証書遺言だった場合はどうでしょう。所定の手続きを持って作成されている、公正証書遺言のほうが優先されそうにも見えますが、実は、この二つの遺言形式に優劣というものは一切ありません。
もちろん、出てきた自筆証書遺言に作成上の不備がなかった場合に限ります。あくまでも、後に書かれた作成上の不備がない遺言書が有効になるわけです。
遺言というものは、遺言者の最終的な意思が尊重されるべきものです。遺言書において日付の自筆が必須項目とされているのは、こういった理由のため。いくら公正証書遺言を作成していたとしても、後から気が変わることがあってもおかしくはありません。遺言者には遺言の自由があるのです。また、書き直しをする場合、遺言の撤回が記載されているに越したことはありませんが、撤回の記載がなかったとしても、後に書かれた遺言書の有効は変わりありません。

同日の遺言書が2枚見つかった場合

かなりめずらしい状況ではありますが、作成上の不備がまったくない同日の遺言書が2枚見つかった場合は、書かれた時刻がポイントとなります。
遺言書に時刻の記載があれば、もちろん後に書かれていた遺言書が有効となります。しかし、そういった記載がまったくなく、遺言の内容に矛盾がある場合は、どちらが遺言者の最終意思なのかを判断することができません。つまり、遺言としては、どちらも法的に無効と取り扱われてしまいます。こうなってしまった場合は、相続人同士の話し合いによって間を取るというのが、遺言者の意思を最大限尊重する分割といえるでしょう。

カテゴリー:遺言
キーワード:遺言書 同日 無効 優劣

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