遺産分割調停・審判の申立て

遺産分割協議が決裂した場合は、調停によって解決をはかります。家庭裁判所に遺産分割調停申立書を提出して、所定の手続きを行いましょう。調停がまとまると、家庭裁判所が内容をまとめた調停調書を作成します。調停でも解決が困難な場合は、審判手続きにうつることになります。

届出・手続きのポイント

期限や行う時期 10か月以内
手続きする場所 家庭裁判所
準備するもの 遺産分割調停申立書、故人のすべて(出生時~死亡時)の戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本など

遺産分割調停とは?

遺産分割協議を行う目的は、相続人同士が話し合うことで、相続財産の分け方を納得する形で決めることにあります。そのため、相続人のうち一人でも内容に反対する人がいれば、遺産分割協議は成立しません。

相続人全員の合意に至らず、遺産分割協議が成立しない場合は、家庭裁判所の力を借りて協議を進めることになります。これを遺産分割調停といい、合意できない相続人が、その他の相続人を相手方として行います。

遺産分割調停においては、家庭裁判所から選任された調停委員が立ち会います。調停委員は、裁判官1名と、民間から選ばれた2名で構成されます。

遺産分割調停では、調停委員は次のようなことを行います。

  • 当事者双方から事情を聞く
  • 必要に応じて資料の提示を求める
  • 遺産についての鑑定手続きを行う

調停委員が双方の言い分を聞いた上で必要な書類を確認し、双方の意向を整理します。その上で紛争解決に向けた調停案を提示し、合意を目指して話し合いを進めていきます。

遺産分割調停の手続き

遺産分割調停を行うには、家庭裁判所に必要書類を提出して、申立を行います。

家庭裁判所は、相手方が複数いる場合、いずれかの管轄地にある裁判所を1か所選択します。当事者間で合意できた場合は、合意によって決めた家庭裁判所で行うこともできます。

遺産分割調停の大まかな流れは次の通りです。

1)家庭裁判所に遺産分割調停の申立をする。
2)家庭裁判所から、調停期日(調停が開催される日)の通知が届く(約2週間後)。
3)1回目の調停が行われる(通知到着の約1か月後)。
4)月1回のペースで調停が行われる。
5)3~4回調停を行い、合意できれば終了する。
6)遺産分割調停書を受け取る。

このように、申立をしてもすぐに調停が始まるわけではありません。第1回調停までに期間が必要となります。調停が始まったとしても、月1回のペースで数回繰り返します。そのため、合意に至るまでは短くとも半年、一般的には1年前後の期間が必要だと言われています。

相続税の申告が必要になる場合は、死亡後の10か月後が申告の期限となっています。調停を行うと決めたら、なるべくすみやかに手続きを行うことが大切です。

遺産分割調停に必要なもの

遺産分割調停を行うには、次の提出物と費用が必要です。

提出物

  • 遺産分割調停申立書
  • 故人のすべて(出生時~死亡時)の戸籍謄本
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 相続人全員の住民票または戸籍附票
  • 故人の子で死亡者がいる場合、その子のすべて(出生時~死亡時)の戸籍謄本
  • 財産目録や遺産に関する証明書
    など

費用

  • 収入印紙1200円分
  • 連絡用の切手代

切手代に関しては、申立を行う際に家庭裁判所が教えてくれます。提示された金額を支払いましょう。

遺産分割調停申立書は、各家庭裁判所の窓口に置かれています。また、家庭裁判所によってはホームページからダウンロードできる場合もあります。

裁判所ホームページより引用

遺産分割調停申立書には、調停と審判という項目があり、該当するほうにチェックを入れます。調停を経ることなく最初から審判を選ぶこともできますが、一般的には調停から開始します。

調停がまとまらない場合は審判を行う

双方が調停案に納得して調停がまとまったら、裁判所が遺産分割調停調書を作成します。遺産分割調停調書は、話し合いによる決定事項をまとめたもので、強い効力を持ちます。もし調停調書の内容に従わない相続人が出てきたら、強制的にその内容を実現することが可能です。

双方もしくは一方が調停案に納得しない場合は、調停が成立しません。この場合、自動的に審判手続きが開始されます。審判とは一種の裁判で、家庭裁判所の裁判官が審理を行います。

遺産分割審判は話し合いではありません。裁判官が職権によって、事実の調査や証拠調べなどを行います。さらに当事者の希望なども考慮した上で審判を下し、各相続人の取り分を最終決定します。

審判とはいわば、裁判所の判決に相当するものです。審判に納得できない場合は、高等裁判所に不服を申し立てて、裁判を行うことになります。ただし、必ずしも不服申し立てが受け入れられないことも、頭に入れておきましょう。

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