遺族基礎年金の申請

故人が国民年金の被保険者として保険料を納めていた場合、一定の条件を満たすと、ご遺族は遺族年金を受け取ることができます。国民年金の遺族年金は3種類あり、「18歳に達する年度末までの子ども」がいる場合は、「遺族基礎年金」の支給対象となります。

届出・手続きのポイント

期限や行う時期 落ち着いたらすみやかに(請求の権利は5年以内)
手続きする場所 市区町村役場、年金事務所、年金相談センター
準備するもの 年金請求書(国民年金遺族基礎年金)、年金手帳、戸籍謄本など

遺族基礎年金とは?

日本には、国民年金と厚生年金という2つの公的年金があります。すべての日本国民は、国民年金もしくは厚生年金のどちらかに加入することになっています。

かつては、公務員や私立学校の教職員が加入する共済年金も存在していました。ところが厚生年金と共済年金の格差を是正するため、2015年10月に「被用者年金一元化法」が施行され、共済年金は厚生年金に一本化されました。

(参考)日本年金機構ホームページ:被用者の年金制度が厚生年金に統一されます

現在では働き方によって、すべての国民は国民年金もしくは厚生年金のどちらかに加入することになっています。

  • 国民年金・・・日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人
  • 厚生年金・・・厚生年金保険の適用を受ける会社に勤務する全ての人、国家公務員、地方公務員、私立学校教職員など。

日本の公的年金には、被保険者が死亡したとき、残されたご遺族に対して支給される「遺族年金」の制度が設けられています。国民年金の遺族年金に関しては、次の3つがあります。

  • 遺族基礎年金
  • 寡婦年金
  • 死亡一時金

遺族基礎年金をはじめとした遺族年金は、それぞれ支給対象や支給額などの条件が異なります。条件を満たした場合、いずれか一つを受給することができます。

3つのうち遺族基礎年金は、「18歳の年度末に達する前の子ども」がいる場合に支給される遺族年金です。子どもが障害等級1級または2級の場合は、「20歳未満」となります。

その他、遺族基礎年金を受給するには、次の条件を満たしている必要もあります。

  • 故人が、被保険者または老齢基礎年金の資格期間を満たしている。
    ※ただし、保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が、加入期間の3分の2以上ある。
  • 死亡した月の前々月までの1年間、保険料滞納がない。

なお条件の中にある「老齢基礎年金」とは、20歳から60歳になるまで、一定の条件を満たす保険料納付を行った人に給付される年金です。支給を受けるためには、全額納めた期間や全額免除を受けた期間などを合わせて、25年以上であることが必要です。

詳しい条件については、日本年金機構ホームページに書かれています。確認してみましょう。

(参考)日本年金機構ホームページ:遺族基礎年金(受給要件・支給開始時期・計算方法)

遺族基礎年金の支給対象は?いつまでもらえる?

遺族基礎年金の支給対象者は、次の通りです。

  • 故人によって生計を維持されていた、子のある配偶者
  • 故人によって生計を維持されていた子

※ただし子どもは、「18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子」「20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子」に限ります。

遺族基礎年金が受け取れるかどうかは、故人によって生計を維持されていた子どもがいるかどうかが、まずは大きなポイントとなります。加えて「18歳に達する年度末まで」(障害等級1級または2級の場合は20歳未満)という年齢も前提条件となります。

注意したいのが、18歳というのは誕生日を境にするわけではないということです。「18歳に達する年度」が基準となります。つまり、子どもが18歳になる年度末を迎えるまでが、支給対象の期間となります。

遺族基礎年金の支給額は?

遺族基礎年金の支給額は、子どもの数や条件などによって異なります。基本的な年金額の計算式は、次の通りです。

遺族基礎年金の年金額=780,100円+子の加算

子の加算に関しては、次の通り計算します。

<子の加算>

  • 第1子・・・224,500円
  • 第2子・・・224,500円
  • 第3子以降・・・74,800円

たとえば、18歳未満の子どもが二人いる場合、受け取ることのできる年金額は次の通りです。

  • 遺族基礎年金の年金額=780,100+224,500+224,500=1,229,100円

このケースにおいては、「年間1,229,100円」が、遺族基礎年金として支給されるということです。

遺族基礎年金の申請手続き

遺族基礎年金を受け取る条件を満たしている場合は、申請手続きを行います。手続き先は、市区町村役場の窓口、年金事務所または年金相談センターです。

申請手続きに必要な「年金請求書(国民年金遺族基礎年金)」は、日本年金機構のホームページからダウンロードできます。

日本年金機構ホームページより引用

(参考)日本年金機構ホームページ:遺族基礎年金を受けられるとき

申請手続きにあたっては、年金請求書(国民年金遺族基礎年金)に加えて、次の書類などが必要です。

  • 故人の年金手帳
  • 故人の戸籍謄本
  • 世帯全員の住民票
  • 故人の住民票除票
  • 請求者の収入が確認できる書類
  • 子の収入が確認できる書類(義務教育終了前は不要)
  • 死亡診断書のコピー
  • 受取先金融機関の通帳等(本人名義)
  • 印鑑(認印可) など

ただし状況によって必要なものが変わります。詳しくは日本年金機構ホームページで確認するか、窓口に問い合わせることをおすすめします。

なるべく早めに手続きを

遺族基礎年金の手続きは、死亡から5年以内と期限が定められています。期限を過ぎると、請求の権利を失うため注意しましょう。

遺族基礎年金はそもそも、夫あるいは妻を亡くした家族に対して、経済的負担を軽くするために支給されるものです。経済的負担という側面を考慮して、相続財産にも含まれません。なるべく早く手続きを行うことをおすすめします。

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