寡婦年金の申請

故人が国民年金の被保険者として保険料を納めていた場合、一定の条件を満たすと、残されたご遺族は遺族年金を受け取ることができます。3種類ある国民年金の遺族年金のうち、「夫を亡くした妻」に対して支給される年金を「寡婦年金」といいます。

届出・手続きのポイント

期限や行う時期 落ち着いたらすみやかに
手続きする場所 市区町村役場、年金事務所、年金相談センター
準備するもの 年金請求書(国民年金寡婦年金)、年金手帳、戸籍謄本など

寡婦年金とは?

日本国民は、何らかの公的年金に加入することが義務付けられています。働き方によって加入する年金が決まっており、会社に勤務する人や公務員、私立学校教職員などは厚生年金、その他の人は、20歳の誕生日を迎えると国民年金に加入します。

かつては、国家公務員や地方公務員、私立学校教職員などは、共済年金に加入していました。ところが厚生年金と共済年金の格差を是正するため、2015年10月に「被用者年金一元化法」が施行され、共済年金は厚生年金に一本化されました。

日本の公的年金には、被保険者が死亡したとき、残されたご遺族に対して支給される「遺族年金」があります。

国民年金の遺族年金には「遺族基礎年金」「寡婦年金」「死亡一時金」の3種類があります。それぞれ支給対象や支給額などの条件が異なり、一定の条件を満たしている場合、いずれか一つを受給することができます。

3つのうち寡婦年金とは、夫を亡くした妻に対して支給される年金です。一定の条件を満たし、所定の手続きをすることで、寡婦年金の支給を受けることができます。

(参考)日本年金機構ホームページ:「被用者の年金制度が厚生年金に統一されます

寡婦年金の支給対象は?

寡婦年金の支給のために必要な条件や支給対象は、次の通りです。

  • 故人が、保険料を納めた期間(免除期間を含む)が25年以上ある。
  • 故人と10年以上、継続して婚姻関係にある。
  • 故人によって生計を維持されていた。
  • 故人が老齢基礎年金を受け取っていない。
  • 受取人である妻が60歳から65歳までの年齢である。

受給のために必要な条件については、日本年金機構ホームページに詳しく書かれています。確認してみましょう。

(参考)日本年金機構ホームページ:「寡婦年金を受けられるとき
(参考)日本年金機構ホームページ:「寡婦年金

寡婦年金の支給額は?いつまでもらえる?

寡婦年金は、「夫が、老齢基礎年金を受け取らないまま亡くなった場合」に支給されるものです。

なお老齢基礎年金とは、65歳から支払われる年金のこと。20歳から60歳までの間、国民年金保険料を25年以上払った人に対して、支払った期間に応じた額の年金が一生涯支払われます。

ただし、夫が老齢基礎年金を受け取らずに亡くなるケースもあります。その場合に、妻に支給されるのが寡婦年金です。受け取る妻自身が60歳から65歳になるまでの間が、支給の対象期間となります。

寡婦年金の支給額は、夫が受け取れたであろう老齢基礎年金額によって異なります。寡婦年金額の計算式は、次の通りです。

寡婦年金の年金額=夫が受け取る予定だった老齢基礎年金額(第1号被保険者期間部分)×4分の3

なお、寡婦年金の受給資格を満たす場合、別の記事(「死亡一時金の申請」)で説明する死亡一時金の受給資格も満たすケースがあります。ただし両方を受け取ることはできません。一方だけを選択する必要があります。

どちらのほうが得かは、故人が保険料を納めた期間などの条件によって異なります。詳しくは年金事務所などで相談するといいでしょう。

寡婦年金の申請手続き

寡婦年金を受け取る条件を満たしている場合は、申請手続きを行います。手続き先は、基本的には市区町村役場の窓口、年金事務所または年金相談センターです。

申請手続きに必要な年金請求書(国民年金寡婦年金)は、日本年金機構のホームページからダウンロードできます。

日本年金機構ホームページより引用

(参考)日本年金機構ホームページ:「寡婦年金を受けられるとき

申請手続きにあたっては、年金請求書(国民年金寡婦年金)に加えて、次の書類などが必要です。

  • 故人の年金手帳
  • 故人の戸籍謄本
  • 世帯全員の住民票
  • 故人の住民票除票
  • 請求者の収入が確認できる書類
  • 受取先金融機関の通帳等(本人名義)
  • 印鑑(認印可) など

ただし状況によって必要なものが変わります。詳しくは日本年金機構ホームページで確認するか、窓口に問い合わせることをおすすめします。

なるべく早めに手続きを

寡婦年金の申請手続きは、死亡から2年以内なら可能です。

寡婦年金はそもそも、夫を亡くした妻に対して、経済的負担を軽くするために支給されるものです。その点を考慮して、寡婦年金は相続財産に含めないことになっています。なるべく早く手続きを行いましょう。

寡婦年金は、自動的に支給される年金ではありません。受給するには、しかるべき申請手続きが必要となります。早い段階で受給するためにも、できる限り早めに手続きすることをおすすめします。

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