健康保険被保険者証の返却

故人が勤め先を通じて健康保険に加入していた場合、死亡すると資格を失います。そのため家族分も含め、健康保険被保険者証(以下、健康保険証)が使えなくなります。勤務先を通じて、速やかにすべての健康保険証を返却しましょう。

届出・手続きのポイント

期限や行う時期 速やかに
手続きする場所 勤務先などに確認
準備するもの 健康保険被保険者証(被扶養者の分もすべて)、健康保険高齢受給者証(故人が70歳~74歳の場合)など

速やかに健康保険証を返却すること

日本には国民皆保険制度があるため、故人は必ず何らかの公的医療保険に加入しています。代表的な公的医療保険には、次の3種類があります。

  • 国民保険・・・自営業者や無職の人などが加入する保険
  • 健康保険・・・勤務先を通じて加入する、健康保険組合や共済組合などの保険
  • 後期高齢者医療・・・75歳(寝たきりなどの場合は65歳)以上の人が加入する保険

故人が74歳以下で、会社員や公務員などであった場合は、健康保険組合や共済組合などの健康保険に加入しています。

死亡すると健康保険の資格を失うため、死亡した翌日から健康保険証は無効になります。速やかに資格喪失に伴う手続きを行いましょう。健康保険の資格喪失に伴う手続きは、次の通りです。

  • 健康保険被保険者資格喪失届を提出する(事業者が行う)
  • 健康保険証を返却する
  • 健康保険高齢受給者証を返却する(70歳~74歳の場合)

これらのうち健康保険被保険者資格喪失届は、基本的に事業者が提出します。勤務先に死亡の連絡をしておけば、ご遺族が書類などを準備する必要はありません。

なお、健康保険高齢受給者証とは、70歳から74歳の健康保険加入者に交付されるものです。年齢や所得の状況などによって医療費の自己負担割合が定められており、健康保険高齢受給者証にその割合が記載されています。

70歳~74歳の健康保険加入者は、医療機関を受診する際、健康保険証と健康保険高齢受給者証をセットで提示します。医療機関は健康保険高齢受給者証に書かれた1割~3割の自己負担割合に基づいて、支払いの請求を行っています。

故人の勤務先に健康保険証を返却する際、70歳~74歳の場合は、健康保険高齢受給者証も忘れずに返却しましょう。

家族が健康保険を切り替えるには?

ご遺族が健康保険の扶養に入っていた場合、故人の資格喪失と共に、ご遺族も被扶養者の資格を喪失します。

日本には国民皆保険制度があるため、健康保険証を返却した後は、別の公的医療保険に入る必要があります。

方法としては2つの方法があります。

1. 国民健康保険に加入する

一つ目の方法は、市区町村が運営する国民健康保険に加入するということです。

国民健康保険の加入手続きは、故人が死亡した日の翌日から14日以内が期限なっています。市区町村役場に行き、必要な手続きを行いましょう。

健康保険資格喪失の手続きを行うと、健康保険組合から資格喪失証明書が発行されます。この証明書や本人確認書類(免許証やパスポートなど)を持参して、国民健康保険加入の手続きを行います。

2. 家族の健康保険に加入する

家族の中に健康保険に入っている人がいれば、その扶養に入るのも選択肢の一つです。どのような手続きが必要かは、勤務先に問い合わせましょう。

埋葬料の請求も同時に行いましょう!

故人が健康保険の被保険者であった場合、別記事で取り上げる埋葬料もしくは埋葬費として、ご遺族に5万円もしくは埋葬の実費が支給されます。

埋葬料と埋葬費の違いは、次の通りです。

1. 埋葬料

被保険者によって生計を維持していたご遺族に支払われるのが、埋葬料です。

以前は被保険者の報酬額により、支給される埋葬料の金額が異なっていました。
ところが現在では、2006年度の医療制度改革により、一律5万円となっています。組合によっては埋葬料付加金として、埋葬料とは別に数万円が支給されることもあります。

退職後に亡くなった場合でも、退職後3か月以内であれば請求することが可能です。
また、被保険者の家族(被扶養者)が亡くなった場合は、家族埋葬料として5万円が被保険者に支給されます。

2. 埋葬費

身寄りがない被保険者が死亡した場合、埋葬を行った人に支給されるのが埋葬費です。一律5万円支給される埋葬料とは異なり、基本的には5万円の範囲内で実費が支給されます。

なお、埋葬料も埋葬費も、自動的に支給されるわけではありません。受け取るには所定の手続きを行う必要があります。

健康保険埋葬料(費)支給申請書に必要事項を記入し、必要書類を添付して手続きを行うと、埋葬料もしくは埋葬費が支給されます。

請求は埋葬を行った翌日から2年間可能ですが、資格喪失届の手続きと同時に行うとスムーズです。他の退職手続きと併せて勤務先に尋ねてみましょう。

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